新学期・操行ゼロ
1933年−1946年

ジャン・ヴィゴ監督
ジャン・コラン画

120x160cm  リトグラフ  布裏打ち

コメント
ドキュメンタリー2本、中編1本、長編1本のたった4本の作品しか残さなかった夭折の天才監督ヴィゴの傑作中編映画。 しかしそのスキャンダルな内容から上映禁止となってしまい、晴れて公開の許可が出たのは戦後になってからでした。 このポスターは1946年フランス本国初公開時のオリジナルポスターです。 普通中編映画のポスターが作られることは稀なのですが、戦争からの開放を謳歌する映画としてこの素晴らしいポスターが作られました。 ポスターを制作したジャン・コランはもともと商業ポスターの専門家でその分野で数々の傑作を残しています。 映画ポスターにはそれほど多くの作品を残していませんが、コマーシャルの世界で培われた洗練されたグラフィズムを映画ポスターに持ち込み、彼の作った映画ポスターには明らかにそれまでのポスターとは異なる審美性が宿っています。 「新学期・操行ゼロ」は中でも際立った傑作で、あらゆるフランス映画ポスターの本に紹介されています。 独特な陰影のある肖像、レポート用紙を模した線、インクのシミに指の指紋、タイトルの赤字の0が0点に見えます。 それらが見事にひとつのデザインセンスで統一されています。 不幸な運命を辿った映画に光を与える傑作ポスターです。
コンディション
未使用品です。 折り目に少し茶色い焼けがありますが、紙の地色を生かした印刷で、作られた年代と紙質を考えると、むしろ無い方がおかしいです。 このポスターの最高のコンディションであると言って良いです。