ノルウェーの首都ベルゲン

ジョージ・ヘンリー・ミラー
「世界地理学体系」
1782年   ロンドン
銅版画
18世紀の後半になると、世界をまたに掛けた探検や調査はより詳細に行われるようになり、第二の大航海時代を迎えようとしていました。 地理学の出版の世界でも、それまでの興味本位な旅行記から、地理学としてより体系的なものへと移行していきます。 キャプテン・クックなどの活躍もあって特に意欲的なイギリスでは、ウィリアム・ガスリー、トーマス・サーモン、チャールズ・セオドア・ミドルトン、トーマス・バンクスらによって体系的な地理学書が幾つも著されるようになりますが、このミラーの「世界地理学体系」もその一つです。 これらの地理学書の多くが、タイトルに「System of Geography」という文句を使っているのが特徴的です。

ミラーの「世界地理学体系」には、約30枚の地図と約100枚の風景や事物の版画が収められています。 ミラーの版画は外枠が額縁状に飾られていて、1枚の版画としても美しい作りになっています。

「ノルウェーの首都ベルゲン」は山の上から町を望んだように描かれており、鳥瞰図とパノラマ図の中間のような都市図になっています。