蝦夷と千島列島図

ジャン・フランソワ・ド・ラ・アルプ
「旅行記集成」
1780年   アムステルダム
手彩色銅版画
ド・ラ・アルプ(1739−1803)は雑誌「メルキュール・ド・フランス」の編集長を長く務めたことで有名な作家・批評家で、アカデミー・フランセーズの会員でもありました。
古地図のカタログの「その他の地域」でも紹介しているプレヴォーの「旅行記集成」の続巻が、プレヴォーの死後、ド・ラ・アルプによって幾冊か出版されました。 プレヴォーの地図の多くを担当したベランが亡くなっていたので、ジャック・ローランがこの地図を制作しました。

日本近郊の幾つかの小さい島々に「日本人が蝦夷と呼ぶ島々」という記述がされています。 それぞれの島には「松前の島」「緑の島」「レモンの島」「3姉妹の島」などと名前が付けられています。 その先に小さい島々からなる千島列島がカムチャッカの南までつながっています。 寸詰まりの形の樺太がアモール河の河口に描かれています 。

「日本人が蝦夷と呼ぶ島々」の拡大図です。 左の黄色い丸い島が「松前の島」、右上の黄色い島が「3姉妹の島」、その左の赤い島が「レモンの島」です。 「松前の島」が北海道、その他の島々が北方四島でしょうか。 いずれにしても凄いことになっています!