古代七不思議のひとつ、バビロンの吊庭

ヨハン・ゲオルク・シュミット
18世紀初期 ドレスデン
銅版画
バビロンの吊庭(空中庭園)は古代七不思議のひとつで、バベルの塔でも有名な古代メソポタミアの中心都市バビロンにあったとされています。 ネブカドネザル2世が王妃アミュティスを慰めるため作ったと言われる巨大な階段状の庭園で、遠くから見ると空中から吊っているように見えたということです。 当時に描かれたものはもちろん無く、現在残っているものは後から想像で描かれたものです。

この版画の出典は明らかではありませんが、制作したのはブラウンシュバイクに工房を構えていた有名なヨハン・ゲオルク・シュミット(1694−1767)です。 サインにドレスデンとありますが、シュミットはブラウンシュバイクに来る前はドレスデンで働いていました。 したがってこの版画は1710年頃のかなり若い時の作品だと考えられます。 原画となったのはリヴィウス・クレイルがキルヒャーの「バベルの塔」(1679年)のために描いたものだと思います。

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