インカ帝国の都クスコ市街図

アントワーヌ・フランソワ・プレヴォー・デクジル
「旅行記集成」
1747年−59年   パリ
銅版画
アントワーヌ・フランソワ・プレヴォー・デクジル(1697−1763)はベネディクト派の修道士でしたが、現在ではアベ・プレヴォーという名前で名作「マノン・レスコー」を著した小説家として有名です。 数奇な運命によってヨーロッパを流浪し、生涯に沢山の作品を残しましたが、その中でも毛色の変わっているのが、当時の探検旅行の情報を集めたこの「旅行記集成」です。 プレヴォーは翻訳家としても有能で、膨大な量の旅行記を翻訳、編纂して、この世界を股にかけた「旅行記集成」を作りました。

この版画は1756年に出版された13巻目に収められています。

この地図はスペインのフランシスコ・ピサロが征服した当時のクスコで、制作したのはフランス王室付水路学者でロンドン王立協会会員でもあったジャック・ニコラ・ベラン(1703−72)です。

上の四角い囲みに宮殿があったようです。 塀のようなもので囲まれているのが市街地です。 両側に川が流れていて、水が市街に引き込まれています。