日本人の装束

トーマス・アストレー
「新旅行記集成」
1745年−47年   ロンドン
銅版画
編者にジョン・グリーンを迎えトーマス・アストレーによって出版された「新旅行記集成」は、当初世界中を網羅する旅行記として計画されましたが、アフリカ、アジア編のみで頓挫してしまいました。 しかし当時のこの地域の探検、航海の最も充実した記録として記念碑的な作品となっており、これに続く多くの旅行記の原典となっています。 実際、有名なプレヴォーの「旅行記集成」のこの地域の記述は、アストレーの旅行記の翻訳です。

この図版で見られる日本人は当時のヨーロッパ人が考えていた典型的な日本人像で、アジア的イメージが混合したものとなっています。 女性は首飾りをして軍配団扇みたいなものを持っていますし、男性はステッキを持っています。 髪型も変です。 でも実際と違っていれば違っているほど、私たちにとっては興味深い図版であるといえます 。