アンティークプリント
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取り扱っている版画のジャンル
アンティーク・プリントと一言で言っても、ダヴィンチやブリューゲルなどの画家が手がけたファインアートから、本の図版や挿絵として作られたもの、最初から壁掛け用の絵として作られたもの、チラシの類に至るまで様々な版画があります。

「アリア」では、特にインテリア・アートに向いていると言われている下記のような作品を扱っています。 

何故インテリア向きかというと、ほとんどの作品が科学、技術、学問などの知識や情報を普及する目的で作られたものだからです。 いわゆる芸術作品は、芸術家の芸術的想念や時代に対する考えが主観的に表現されたものですから、時にはその主張に息苦しさを覚えたり、古いものには時代遅れな違和感を感じたりすることがあります。 一方、下記のような作品は、客観的な視点から見る者に分かりやすく描かれているので、作家の主張のような鬱陶しさを感じず、素直に鑑賞することができます。 描かれているものも、科学的、社会的な事実ですから普遍性があり、歴史的な興味こそ湧きますが、不思議に時代遅れな感じがしません。 したがって何処に飾られてもうるさくなく、それでいて興味深い作品と言えるのです。
ボタニカルアート(植物画)
花、樹木、フルーツ、菌類に至るまで、植物を科学的に描いた絵は、版画でも手描きの絵でも、全てボタニカルアートです。 アンティーク・プリントの世界では、百年以上前に植物学者たちによって作られた版画のことなので、ボタニカル・プリントと呼んだ方が良いかもしれません。 

植物の研究は本草学と関わってきますから、医学と共に最も古い科学で、ボタニカルアートの歴史は太古にまで遡ります。 グーテンベルクが活字印刷を発明し、知識が書物としてヨーロッパに広がり始めた15世紀から、植物の版画は本草学の書物の図版として作られ始めました。 大航海時代以降、プラントハンターたちにより未知の世界から珍しい植物が次々ともたらされ、裕福な人々の間に園芸ブームが起き、植物に対する興味や学問に拍車がかかりました。 初期の作品には木版画のものもあり、一枚のシートに数種類の植物が描かれていることが多くあります。 バロックスタイルなどの装飾的な意匠の図版も作られています。

植物学的に見ると、リンネをはじめとする優秀な博物学者を輩出した18世紀に、特に素晴らしくまた重要な作品が集まっています。 それまでは植物の分類方法や名前のつけ方が特に決められていなかったので、様々な混乱がありました。 科学の世紀である18世紀にそれらが整理、統合され、より科学的に植物学は進歩したのです。 この時代の作品は1枚のシートに一品種が普通になり、より科学的な作品にはディセクションと呼ばれる分解図が付け加えられるようになりました。

19世紀に入ると、社会が成熟し、一般の市民が力を持つようになってきます。 それ以前は一部の特権階級や裕福な人々を対象に作られてきましたが、一般市民の間にも植物に対する興味が高まり、より多くの人々に向けた手頃な植物図鑑の需要が起こります。 小型で様々な用途の作品が数多く作られるようになります。 珍しい熱帯の園芸植物も、数多く描かれるようになりました。

ボタニカル・プリントは、その長い歴史から様々なスタイルの作品があり、価格にも多くの選択肢があるので、お客様の好みに合う品物が最も探しやすいジャンルです。 インテリア・アートとしても最も汎用性が高いので、アンティーク・プリントを初めてお求めになるお客様にも安心してお勧めできます。
博物画
博物画には本来植物画も含まれますが、ここでは植物以外の、鳥、哺乳類、昆虫、魚、貝などの生物を描いた版画とします。

動物の版画も昔から作られていましたが、植物の場合と異なり、遠い異国の動物に関しては生きたまま持ち込むことが難しいので、博物画家が現地でスケッチした原画や剥製にして持ち込んだサンプルなどの資料しかなく、長い間それほどの進歩はありませんでした。 18世紀の半ばぐらいから、国威を掛けた各国の探検旅行や世界一周航海に博物学者が同行し、より科学的で正確なサンプルが持ち込まれるようになり、格段に進歩します。 国家レヴェルの報告書として、素晴らしい版画図版が制作されています。

博物図版としては、鳥類が最も歴史が古く、種類も多くあります。 欧米では植物画と共に最も人気のあるジャンルです。鳥類の版画は、大雑把に言って、フランス・スタイルとイギリス・スタイルに大別できます。 フランスでは剥製から描かれることが多く、ほとんどのものが止まり木に止まっているポーズで、背景がほとんど描かれていません。 一方、イギリスでは早い頃から背景が描かれ始め、動きのあるポーズが取られています。

哺乳類などの動物に関しては、18世紀の終わりまで図版的には特に進歩が無く、多くの版画は先人の作品をコピーして作られていました。 しかしコピーが繰り返されたことで、逆に可笑しな不思議な作品が生まれ、図版として興味深いものがあります。
古地図(アンティーク・マップ)
古地図の収集は、欧米ではキング・オブ・ホビーと呼ばれていて、すでに19世紀からコレクターによる収集、研究が盛んです。 現在でも国家レヴェルで収集が続けられています。 それでも毎年のように新発見があるのが奥深いところです。 古地図は、勉強すればするほど面白くなってくるので、最もはまりやすいアンティーク・プリントです。

古地図は、アンティーク・プリントの歴史の中でも初期の段階から、重要かつ素晴らしい(手間の掛かった)作品に恵まれたジャンルです。 それはルネッサンス以降東方からもたらされた新しい地理学の繁栄と、大航海時代の地理学上の大発見により、ヨーロッパの人々の世界観が大きく変化する時と重なったからなのです。

15世紀から17世紀までの黄金時代に作られた古地図は、毎年のように明らかにされる新情報と、因習から生まれた不思議な伝説や未知のものへの架空の想像までが一体となって表現されていて、見ているだけで不思議な世界に迷い込んでしまいます。 この時代の地図をさらに素晴らしいものにしているのは、それぞれの時代を代表する手の込んだ意匠が惜しげも無く採用されていることです。 様々なスタイルのイタリック体の文字、タイトルバナー(カルトゥーシュ)のデザイン、未知の動物(怪獣?)、海の表現など、もはや美術品以外の何物でもありません。


古地図は、欧米では書斎、知的職業の事務所、クラブ、高級テーラーなど、特に落ち着いた雰囲気を大事にする空間に飾られているのをよく見ます。 アートでは珍しく硬派なイメージがあるからでしょう。

このジャンルでは実際の地図以外に、鳥瞰図で都市を描いたもの、天文学関係の版画、探検や風土記に関する版画なども集めて紹介します。
建築画、風景画
建築画は、ルネッサンス時代に、ギリシャ・ローマへの憧れからその建築様式の研究が進んだこともあり、古くから作られています。 建築の細部を図面のように描いたもの、建物全体を背景も含めて風景画のように描いたものと、二つのタイプに大別できます。 いずれも当初は、同時代の建築より、ギリシャ・ローマ時代などの過去の建築が多く取り上げられました。 背景が、建てられた当時の時代のように描かれたものもあります。

建築画は、ほとんどのものが基本的に無彩色版画です。 とは言っても、重厚なイメージはアンティーク・プリントの中でも飛びぬけています。 額装の方法で、トラッドな空間にも、モダンな空間にも、簡単に合わせられます。

アンティーク・プリントの多くの風景画はトポグラフィーです。 トポグラフィーは、目の前の風景を、省略を加えずにありのままに描いた、言わば風景の博物画です。 人々が簡単に旅行できなかった時代に、未知の場所の情報を正確に広く伝えるため作られました。 トポグラフィーはほとんどが無彩色ですが、その素朴な味わいに捨てがたい魅力があります。 また、今となっては、トポグラフィーでしか当時の実際の風景が判らないので、歴史的資料として極めて重要です。

一方、後期になると、画面により劇的な絵画性を持たせたピクチャレスクと呼ばれる風景画が作られるようになります。 ピクチャレスクでは、劇的効果を高めるため、実際にはありえないような画面構成が取られ、時にはそのために無駄な事実の省略、あるいは理想に近づけるため変形も行われます。 ピクチャレスクには、泰西絵画的な作家性があります。 ロマンティックな物語性も感じることができます。 
コスチューム・プレート
コスチューム・プレートとは、衣装を描いた版画のことです。 衣装というと、流行のファッション(モード)のことを思い浮かべる方が多いと思います。 もちろん、それらの版画もありますが、アンティーク・プリントの世界では、民族衣装、ユニフォーム、職業別の服などの版画の方が、貴重で重要な作品として扱われています。 これらの衣装には、単にデザイン的な興味の対象として以上に、社会学、民族学、地誌学などの学問の資料として、また過去の歴史を身近に考える道具として限りない価値があるのです。 今では、これらの現物の衣装はほとんど残っていないので、体系的にまとめられた版画集の重要性は非常に高いのです。 インテリアに飾るアートとしても、豪華なモードの衣装よりむしろ気品に溢れていて、いやらしさがありません。

モードの版画の中では、20世紀の版画なので正確にはアンティーク・プリントと呼べないのですが、1910年代から20年代にかけて、ポショワールという手間の掛かる技法で作られたファッション・プレートに人気が集まっています。 この時代はファッション産業が近代化する激動期で、職人からデザイナーの手にファッションが移行していきます。 デザイン的にもモダンなアール・デコに移ろうとしていました。 第一次大戦という混乱はありましたが、新しい時代に向けて意欲あるファッションデザイナー、出版者、そしてイラストレーターに恵まれたのです。 今見ても、全く古さは感じません。 むしろ永遠のモダニズムが宿っています。 絵本の原画のような物語的な雰囲気もあります。 この時代のファッションやデザインに興味がある方はもちろん、ファンタジックで優しいアートをお探しの方にもお勧めします。
その他の装飾版画
ここでは、スポーツ、家具、道具、意匠、一般書物の挿絵など、上記のジャンルに当てはまらないその他の取り扱い版画をご紹介します。

よくゴルフやサッカーなど球技の版画のお問い合わせを受けるのですが、これらは近代的なスポーツで、アンティーク・プリントにはほとんどありません。 アンティーク・プリントでいうスポーツとは、武術、乗馬、狩などです。
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